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石油の関税・税制

原油関税とは、石炭産業の保護を目的として原油に課せられている関税。原油の輸入段階で、石油税と共に課せられる物です。1kl当り215円となっている。

Photo

JX日鉱日石HD HP

第1節 石油税制の現状
1.巨額・高率な課税
2.石油課税の現状
3.不合理・不公平な課税
1. 巨額・高率な課税
 我が国において、石油に対して賦課されている税金には、輸入段階で課される関税(2006年度以降は製品輸入のみに課税)、石油石炭税をはじめ、製品段階で課されるガソリン税(揮発油税および地方道路税)、軽油引取税、石油ガス税、航空機燃料税の個別間接税がある。

 これら石油諸税の税収は、2007年度予算で年間4兆9,000億円もの巨額に達し、さらに、消費の段階で課される消費税約1兆円(石油製品売上高の5%相当分)を加えると、石油に課される税金は約5兆9,000億円にものぼる。これを同年度の石油消費量1バレル当たりに換算すると、約33ドル/バレル(1ドル=約120円)に相当するきわめて高率なものとなっている。

 こうした消費者・供給者双方に過重な負担を強いる巨額・高率な石油諸税は、エネルギーコストの高騰を通じて、国民生活や産業活動を大きく圧迫すると同時に、他エネルギーとの公平な競争を著しく阻害している。

2. 石油課税の現状
関税
 原油関税は、石油に関税を負担させることによって石炭との価格差を圧縮し、石炭の競争力の回復を図ることを主な目的として、1955年8月に暫定的な措置として課税が開始された。その後、高度成長期において、石炭から石油への急激なエネルギー転換があったことから、国内の石炭産業対策の財源を確保するために、2005年度末まで暫定措置が継続されてきた。

 その間、関税率審議会等において「原油関税は基本的には無税とすべきである」という原則が再三にわたり確認され、1991年12月の関税率審議会において、ようやく無税化へのスケジュールが示され、段階的に引き下げられた後、2006年4月に輸入原油に関わる関税が無税化された。

 製品輸入に関しては、油種ごとに基本税率が設定されており、別に設定した暫定税率に従って課税されているが、原油関税の無税化にともなって、2006年4月に基本税率の減額見直しが行われ、暫定税率についても2006年度以降2010年度まで段階的に減額されることとなった。なお、2007年度における課税見通し額は約5億円とされている。

石油石炭税(国税)
 旧石油税は、石油開発、備蓄等の石油政策の推進財源を確保する目的で創設され、1978年6月から原油、石油製品およびガス状炭化水素(石油ガス、LPG、天然ガス、LNG)に対して課税が開始された。同法は2003年度の税制改正により、2003年10月1日以降、新たに石炭が課税対象となり、石油税から石油石炭税に名称が変更された。また、ガス状炭化水素に対する税率が引き上げられた。

 原油および輸入石油製品に対しては、旧石油税から引き続き1KLあたり2,040円を課している。また、ガス状炭化水素と石炭の税率については、経過措置を経て2007年4月1日まで段階的に引き上げられ、現在の税率は、ガス状炭化水素が1,080円/トン、石炭が700円/トンとなっている。

 なお、湾岸戦争が勃発した1991年には、多国籍軍への追加支援約90億ドルを捻出するため、同年4月から1年間の臨時措置として「石油臨時特別税」(石油税の5割相当額)が課された。

ガソリン税(揮発油税および地方道路税)(国税)
 ガソリンに課税される揮発油税と地方道路税の二つの税を総称して、一般的にガソリン税と呼んでいる。

 揮発油税は、1954年に第二次道路整備5ヵ年計画がスタートすると、道路整備財源として税収の使途を特定され、目的税的性格をもつこととなった。翌1955年には地方道路税が創設され、国の行う道路整備事業費としての揮発油税と、地方公共団体へ委譲される地方道路税が合わせて徴収されることとなった。

 その後、道路整備5ヵ年計画が改定されるたびに、ガソリン税率の引上げが繰り返され、現在、基本税率(2万8,700円/KL)注1)を大きく上回る暫定税率5万3,800円/KL注2)が課されている。

 ガソリン税は、製油所からガソリンが出荷される段階で課税される庫出(くらだし)税であり、精製・元売会社が納税義務者となっている。なお、石油化学原料用揮発油(ナフサ)、塗料・印刷インキ製造用揮発油、航空機燃料用揮発油(別途、航空機燃料税が賦課される)、輸出の場合等は免税となっている。

軽油引取税(地方税)
 軽油引取税は、ガソリンに対する課税との均衡を図るとともに、地方道路整備財源の確保を目的として、1956年に創設された。

 軽油引取税もガソリン税同様、道路整備5ヵ年計画が改定されるたびに増税され、現在、基本税率(1万5,000円/KL)を大きく上回る暫定税率3万2,100円/KLが課されている。

 課税対象はディーゼル自動車燃料としての軽油で、農林・水産用、船舶用、鉄道用等の場合は免税となっている。

 1989年から、納税義務者は、特約業者または元売業者からの最終引取者となっている。

石油ガス税(国税)
 ガソリン税、軽油引取税と同様、道路整備財源の確保を目的として、1966年に自動車用LPガスを対象とした石油ガス税が創設された。

 1970年以降、税率は1万7,500円/トン(=9,800円/KL)となっており、納税義務者は、LPガスの自動車への充填者または課税LPガスを保税地から引き取る者とされている。

航空機燃料税(国税)
 航空機燃料税は、空港整備財源の確保を目的として、1972年に創設された。

 本税は積込税であり、1979年以降、税率は2万6,000円/KLとなっている(国際線は非課税)。また、納税義務者は航空機の所有者または使用事業者とされている。

3. 不合理・不公平な課税
 1989年4月に消費税が導入された際、個別間接税である物品税や電気税、ガス税等は、税金そのものが廃止になり、酒税やたばこ税等は、消費者の税負担が増えないよう、税率の軽減措置(調整併課)がとられた。

 しかし、石油諸税は、使途が特定されている「特定財源」であるという理由から、廃止も軽減もされず、石油諸税を含む販売価格に消費税が単純に上乗せされるという不合理・不公平な措置(単純併課:タックス・オン・タックス)がとられた(軽油引取税および航空機燃料税を除く)。

 石油業界では、消費者とともに消費税導入時からこのような不合理、不公平な扱いの是正を強く要望し続けているが、1997年4月の消費税率引上げに際しても、5%の消費税が引続き単純併課されている。その結果、2007年度予算においては、ガソリン税などの石油諸税に課せられている消費税(いわゆるタックス・オン・タックス分)だけでも、約1,900億円に達している。

[注]

注1)1957年改定の「揮発油税法」(第9条)により税率は2万4,300円/KLと定められている。また1955年制定の「地方道路税法」(第4条)により税率は4,400円/KLと定められている。以上の合算2万8,700円/KLがいわゆる本則(基本)税率である。

注2)1973~77年度の道路整備5カ年計画の財源として、1974年度から「租税特別措置法」により、揮発油税は本則税率の2倍の4万8,600円/KL、地方道路税は5,200円/KL、合計5万3,800円/KLとなる暫定税率が適用され、今日(2008年3月末)にまで至っている。

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