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国際貿易と技術革新 武上著 西早稲田 前野書店

国際貿易と技術革新

INTERNATIONAL TRADETECHNOLOGICAL INNOVATION

前野書店

多国籍企業と技術革新

目次

  序;

第一章;技術革新と国際投資市場

第二章;国際技術移行モデル

第三章;国際技術移行とPLC仮説モデル

第四章;国際市場成長と技術のプロフィール

第五章;技術と市場構造

第六章;RDMと多国籍企業の市場戦略

第七章;MNCの内部化理論

第八章;グローバルR&Dシステムの構築

終わりに;米国ランド社のRDM分析活動

著者/

武上 幸之助

東京生れ

早稲田大学大学院商学研究科前期、後期博士課程修了

経営行動研究学会会員

日本貿易学会会員

日本大学、明治学院大学講師

初めに

本書は国際貿易の分野に於ける、多国籍企業の国際市場での投資行動、特に資源移転モデルを、その技術要因から分析し、研究したものである。

1950年代中葉から海外直接投資を通じて米国系多国籍企業は資本、技術等経営資源の有効利用により独占的比較優位を構築してきた。国際間の資源移動では多国籍企業が主な担い手になり、このことにより従来の国別国際貿易から、現在では多国籍企業による産業内国際分業や企業内国際分業が新たな国際貿易のパターンになっている。

特に多国籍企業の形成する比較優位要因のうち技術要因は経済のソフト化、グローバル化と共に重要度を増しており、先進国多国籍企業の技術独占と途上国の先進技術移行要請等が現在の国際貿易の課題となっている。これは経済的比較優位要因の中で、技術要因こそが多国籍企業の国際市場投資行動パターンの決定要因となる場合が多く、多国籍企業の市場投資行動のメカニズムの解明にとっても重要な決定要因となるからである。本書に於いては、技術の創造する国際市場の中の多国籍企業の行動パターンをテーマとして採り上げた。

本書の発行については早稲田大学大学院商学研究科及び経営行動研究学会に於ける研究発表を通じ諸先生方の御指導を頂いた。なお末筆になるが前野書店の御尽力を頂きここに深く感謝申し上げる。

尚、本文について不備な表現の文責は全て著者に帰する。

平成99月        

 

                      著者

総目次

  序;技術革新と国際貿易の需要創出効果

1章;技術革新と国際投資市場

      1.技術革新と国際貿易の相関関係

        1-1経済成長モデル

                1-2経済成長と貿易交易条件

                1-3経済成長のパターン

       2.リブチンスキー定理と技術進歩

         2-1リブチンスキーの定理

         2-2技術進歩と貿易交易条件

         2-3キンドルバーガーの仮説モデル

       3.技術係数と技術進歩     

                      3-1技術係数と技術進歩

                      3-2生産可能曲線からみた技術進歩

 3-3技術係数の比較優位連鎖と需要の相違

           4.技術革新のサイクルモデル  

                                4-1技術の比較優位とPLC仮説

            4-2PLC仮説と寡占による優位

                     4-3技術の比較優位要因

2章;国際技術移行モデル

     1.技術理論のプロフィール

     2.PLC仮説の修正プロセス

     3.MNCとRDMの統合

     4.事例研究;技術移行とTLC仮説

     5.PLC仮説モデルと需要予測の手法

3章;国際技術移行とPLC仮説モデル

       1.PLC仮説モデルの修正過程とヘライナー/アバナシーモデル

           2.日本の自動車産業の産業工程間貿易取引

         3産業内貿易指数と技術集約度

         4.雁行形態理論からのアプローチ

4章;国際市場成長と技術のプロフィール

   1.PLC仮説モデルのプロフィール/

          1-1 PLC仮説モデルの定義について  

              1 -2   PLC仮説モデルとRDMへの適用

       2.国際市場成長に対する成長モデル曲線の適用

              2-1    PLCの市場適用

              2-2    成長モデル曲線の適用 

               a.ヴァーノン・ロジステックス曲線モデル

               b.コンベルツ曲線モデル

               c.正規分布曲線の累積曲線モデル

               d.ジグモイド曲線モデル

               e.ワイプル曲線モデル

       3.PLC仮説モデルへの批判と修正プロセス 

    第5章;技術と市場構造

      1.PLC仮説モデルの市場限定要因

      2.技術と市場構造要因

      3.PLC仮説と市場構造

        6章;RDMと多国籍企業の市場戦略

  1.国際市場戦略の概念的発展

   2.経営戦略と市場適合

   3.市場戦略のグローバル化

   4.技術開発と経営戦略

7章;MNCの内部化理論

  1.外部化と内部化の利益均衡

  2.バックレー=カッスンモデル

       3.RDMと内部化のメカニズム

8章;グローバルR&Dシステムの構築

   1.RDMと市場調査

    2.研究開発と投資効果の評価

    3.グローバルR&Dの進展

    4.MNCとRDM 

本書掲載各章の発表リスト

          1.技術革新と国際投資市場

            -経営行動研究会研究発表会 H9.71-

      

                      2.国際技術移行とPLCに関する考察

         -経営行動研究会研究発表会 H7.4-

              

        3.技術移行とPLC仮説モデル

          自動車産業の貿易構造と産業内分業体制

        -日本貿易学会研究発表 H9(予)-

            

          4.市場成長と技術のプロフィール

        -経営行動研究会研究発表会 H8.6-

          5.多国籍企業と技術革新

        -アバナシ−=シェーラー仮説の実証分析-

        -経営行動研究学会学会誌H8.1-

      

            6.多国籍企業の国際市場戦略と環境適合

                -経営行動研究会研究発表会 H8.-

          7.MNCの内部化理論

        -経営行動研究会研究発表会 H8.-

          8.グローバルR&Dシステムの構築

        ー経営行動研究会研究発表会 H9.72-

 

  序:技術革新と需要創出効果

    本書の趣旨と内容の構成及び本書での用語定義についてここに記す。

  

  1.本書の趣旨

 本書は、製品に関する技術が需要を創出する際の国際的比較優位要因と技術の国際間移行をテーマとして、その中心的担い手である多国籍企業の国際消費市場に於ける投資行動モデルを論じ、解析することを目的とするものである。

国際経済、貿易において多国籍企業は直接投資を通じて、国際間の資源移動を拡大し、個別現地市場の需要、消費構造を同時、等質化し、グローバルな生産、供給活動を行っている。その競争比較優位要因から導かれる多国籍企業の投資パターンは国際経済、貿易論の分野に様々な理論を導入した。例えば製品技術革新の創出する直接投資パターンと国際間の技術伝播モデル、これを修正した工程技術革新モデル、また技術独占による産業工程間貿易パターンモデル等である。

本書では特に多国籍企業のR&D(Research Development Management)活動即ち、技術開発、技術革新、技術管理等に主眼をおいて、技術の創出する競争優位の導く国際間の技術移行モデルの中から、上掲プロダクトライフサイクルモデル、プロダクトプロセスサイクルモデル、内部化理論とその修正モデルを手法として論じた。これらR&Dに関するモデル分析を通じて多国籍企業の国際市場投資行動のパターンを明らかにしていきたい。

2.本書の構成

(1)本書では、以下の論旨の流れに沿って上掲の分析を行う。

第一章では国際経済、貿易論のモデルから技術進歩、革新のもたらす国際間の経済進歩をマクロ的に論じた。

第二章では技術理論の発展プロセスを論じ、技術革新、開発の内容、性質、意義及びその需要創出効果について論じた。

第三章ではPLC仮説モデルと修正モデルにより産業工程間貿易と国際技術移行を論じた。

第四章ではPLC仮説モデルとその修正過程から市場の不完全性、技術寡占の問題を論じた。

第五章では多国籍企業の技術革新と技術管理から事例を用いたモデル分析を行った。

第六章では多国籍企業自体に焦点をあて、その国際市場投資行動パターンを経営戦略面から論じた。

第七章では多国籍企業の市場取引とサンクコストから多国籍企業の投資パターンを決定する内部化理論とその修正プロセスについて論じた。

第八章では多国籍企業のグローバル化するR&D活動の実態を実証分析した。

(2)以下に本書の概要を記す。

国際貿易の直接投資パターンにおいて、多国籍企業が主体となった産業工程間貿易が中心的役割を持つようになるにつれて、技術要因による競争優位がその重要な投資行動の決定要因になっている。このことは技術係数の比較優位連鎖からも観測される。(1章)

国際貿易の技術要因による競争優位を視点においた場合、多国籍企業の技術管理において、PLC仮説モデルとその修正モデルはその投資行動にインプリシテイー(示唆)を与える(2章)が、このモデルの有効性を分析すると需要、消費市場の市場特性と市場の競争構造に支配されることが理解できる。即ち、需要、消費市場が成長期に相当する時期は、このモデルにおいて技術競争優位が有効に現れる。しかし、成熟期、または寡占期に移行するとモデルの有効性は低く、技術競争優位が明確ではなくなる。(3章及び4章)

多国籍企業の市場寡占が進行するにつれて、市場競争の圧力により技術サイクルは影響を受ける。これは技術の主な担い手である多国籍企業の投資行動パターンが産業工程間貿易に特化(3章)し、これにより市場成熟と共に市場の不完全性、即ち、技術寡占あるいは独占化が生じたため技術移行の順調な展開と普及が停滞した(5章)と考察される。

現在、多国籍企業の投資行動パターンは前述、国際貿易の方向性を決定する主な要因であり、その行動メカニズムを考察する(6章)とPLCを前提とした取引市場の内部化要因(7章)が掲げられる。多国籍企業は技術開発を通じてを自らの中に市場を内部化し、不完全市場を創出するプロセスをもつ。これは、今後の多国籍企業の技術管理:RDMに大きな示唆を与える(8章)と考察される。

3.技術の需要創出効果/技術の定義に代えて

(1)技術の定義:Technicsの本質について

人間の消費生活上の効用に共される生産財の価値は、広義には市場で決定される需要量と供給量が支配する。この市場で決定される供給量は供給者、企業にとっては生産目標であり、これを達成するために企業の生産能力が必要となる。生産目標と生産能力との間の要因(労力、資材、コスト等)を生産関係として、この生産関係の効率性 を技術と定義する。ここで生産目標は市場で決定されるから技術は市場要求に対応した効率が要求される。即ち、生産目標の達成のために如何に経営資源を最小効率的に利用し需要を創出しうるかが本書で想定する技術の定義である。

さらに技術の持つ市場特性として占有不可能性(In-appropriability)また標準に関する消費外部性(Externality)等の要因がゲーム理論的に多国籍企業の市場戦略として選択される。

2)技術革新についての定義

技術革新(Innovation/新機軸)についてシュムペーター(Schumpeter,J.A1934 は技術の源泉を「経済社会のエンジンを起動させ、その運動を連続させる根本的動因は、新しく創造された消費財、財、サービス、情報の新生産方式ないしは新輸送手段、新しく誕生した市場、新たな組織形態の持つ性質からもたらされる。」とし創造と破壊の相反から経済成長を論じて、技術の持つ需要創出効果に意義を与えた。ここに含まれる技術革新は「新しい商品の導入、既存商品の生産技術の変化、新市場の開拓、作業のテーラー化、材料処理改善、」 等である。

シュムペーターはコンドラチェフの景気循環の長期波動 を分析して新技術の出現を基底とした新産業の群発生により長期的経済成長がもたらされるとする。

シュムペーター仮説によれば、この技術革新は技術を企画、開発した者は独占的地位を得、維持を試み、この独占の欲求、即ち、企業家精神こそがイノヴェーションを生む根源であるとして、「技術革新を確実に結実させるためには競争に耐えうる大企業の内部で多くの近代的な技術革新が生じる」としている。また独占資本による市場支配力は技術革新にとって必要であり、技術革新こそが効果的な競争力の核心であるとする。

特に大規模寡占企業に技術革新が生じ得る傾向を説明する立場 からは、技術革新に多大な費用が必要であること、技術革新には市場での成功の機会が明確ではなく、この技術開発のリスクカバーは寡占企業の資本蓄積と市場支配力によるとする。

本書で主に扱う多国籍企業の技術管理(RDM:ResearchDevelopment Management)の立場では、上掲の技術革新を前提とし、更に拡張して製品の市場性から以下の範囲までを扱う。

a)市場投入されたことのない新しい製品の生産技術

b)すでに市場投入された製品の新しい生産方法

c) 製品の新しい市場開拓

d)製品原料の新しい供給源の開拓である。

後に資本蓄積の大きな大企業を前提としたブレイクスルーの新機軸技術を想定したこのシュムペーター仮説モデルは様々な修正を受けることになるが  、本書では特に企業経営の立場からイノヴェーションについて市場という競争概念を捉えたアバナシーのモデルに注目してみたい。 これは本書のテーマでもある技術の市場性と需要創出効果に多大な示唆を与える。

(3)技術革新の階層化(ヒエラルヒー)について

技術革新(イノヴェーション)は産業発展の段階において様々な捉え方が可能である。単一のブレイクスルーの技術開発が産業高度化につれて困難になるにつれて、現在は複数の技術の複合、改良等により技術革新が図られることが一般化している。

イノヴェーションに複数の技術の階層ヒエラルヒーの存在を認め、製品市場におけるこれら技術の発展と競争との相互作用を論じる立場に、例えばヴァーノンの製品のプロダクトライフサイクル(PLC)仮説がある。この仮説モデルは技術開発について、有益な示唆を与える基礎になっている。

これを修正し発展させたテクニカルライフサイクル(TLC)仮説を論じるフォード 、更にTLCとPLCの相互関係から「プロダクト・イノヴェーションがプロセス・イノヴェーションを誘発し技術の盛衰はこの相互関係から生じる」とするフローマンの  の仮説等、技術のサイクルモデルはPLCを基礎にして発展を遂げている。

現在、最も中心的な技術のサイクルモデルには、製品技術と製造工程が相互に発展するパターンを考察するアバナシーとアターバックのモデル(A=U MODEL)がある。これは技術革新には階層ヒエラルヒー(製品技術と工程技術)が存在することを前提にして、先ず製品に関するプロダクト・イノヴェーションが生じ需要創出が生じ、時系列的に市場での需要創出が低下すると次に工程に関するプロセス・イノヴェーションが生じ、さらに需要創出が低下すると次世代の製品技術が生じるという考えである。

これに修正を加えたヘニップマン は、技術革新を2つの段階「新製品もしくは新品質の製品導入」及び「生産の新方法の導入」に区分してこれを技術進歩と定義している。

尚、技術革新の投資誘因と需要創出効果について、最近の論調では、このイノヴェーションを競争優位の源泉とする立場から、ポーター(Porter .M. 91) は従来の国際間の資源配分の不均等による比較優位が貿易の方向を決定するという立場を発展させて、技術革新を効率的に産みだし、これを普及させるシステムを内包する事が、国の競争優位を決定する要因であると説明している。

(4)技術移行と技術の投資誘因効果について

技術自体の構成する比較優位は、国際貿易の方向性と直接投資の誘因を決定する要因の一つである。しかし多国籍企業が技術貿易の主な担い手(Agent)となると、国際貿易の方向性と直接投資の誘因の決定には、市場における企業間競争の圧力を受けて、例えば寡占、独占等、市場の不完全性に多国籍企業は比較優位を見いだす場合が多くなる。

多国籍企業間競争の比較優位構造が、国際貿易のパターンを決定する。この傾向が一般化すると多国籍企業間における市場の外部的、内部的構造要因が競争を支配するようになると考えられる。

その市場の内部的要因としては技術の持つ特性として占有不可能性(In-appropriability)がある。即ち、技術開発に多くの費用を伴うのに、その成果を模倣するには殆どコストが懸からない 。このため技術開発成果の私的占有を保護する特許等の制度が立法され、私的占有に意義を与えている。この技術の私的占有による技術独占が企業に競争優位を与える。

また技術標準化を通じた開発技術の普及と標準に関する消費外部性(Externality)の獲得という要因が、ゲーム理論的に多国籍企業の戦略として選択される。例えば、技術の性格に依っては、製品規格が製品の市場占有率に大きな影響を与える場合等に、開発技術を私的占有せず公開する企業戦略が選択される場合がある。

また市場の外部的要因としては、寡占に例をみる市場競争構造の圧力が掲げられる。例えば、価格カルテル等による競合企業を参入阻止するため価格障壁を築く戦略や、意図的な製品の計画的陳腐化とPLCを短命化することにより後続企業の追従を振り切る戦略、等の戦略が企業により選択される。これら要因は従来の国際貿易の方向性と直接投資を誘因する決定要因とは全く異なるものである。

5)技術と多国籍企業の直接投資決定要因

多国籍企業の海外直接投資の誘因は、主に市場不完全性、即ちその寡占体制の維持であるとされる。主な多国籍企業の直接投資行動の決定要因をモデル、理論化する系譜を辿ると以下のようになる。

a)ハイマー/キンドルバーガーモデル;市場を寡占する大企業により、生産技術等の比較優位要因を持つ経営資源が海外移転され、寡占企業は寡占体制の維持を図ろうとする。

b)産業立地論モデル;市場へのアクセス、生産要素の移動難易、コスト、生産立地上の配置(ロジステクス)が比較優位を生み出す事に投資誘因を見いだす立場。

(c)PLC仮説モデル;新製品が成熟するにつれて、新技術は標準化されて、これにより参入が容易となった競合企業が市場参入することに対し、参入阻止または市場防衛的反応として直接投資が誘因される。

(d)バンド=ワゴン:Band=wagon(ニッカーボッカーKnickerbocker,F. 78)  モデル ;寡占産業において主導的寡占産業が直接投資を行うと他の寡占企業は此に追随して、意図的並行行動を採り、主導産業との市場成果の格差が生じないように投資を行う。

本書ではPLC仮説を中心に、その技術革新の創出する国際伝播のプロセスを多国籍企業の戦略を論じたい。

6)研究開発管理(RDM:Research Development

                                     Management)について

本書ではRDMについて、研究開発活動を経営的立場から計画、組織化、統制するプロセスであると定義する。これには狭義の直接的研究開発活動から広義の研究開発支援活動までをも含むものとする。技術の研究開発管理で最も重要な要因は、技術の市場創造の手法である。経営的立場から製品市場における技術の需要創出と市場占拠率の維持、次世代技術の予測と創造、技術の市場投入の時機等を認識することは技術管理にとり非常に重要である。

このRDMで多くの場合に利用される手法に傾向外挿法があり、一般にRDMにおいて技術の創出する需要予測に用いられる手法として確立されている。これは時系列的に、過去から現在に及ぶ推移(例えば売上高)を計測し、その傾向を将来に延長して趨勢を予測する手法である。その傾向線モデルのタイプにより

1)単純外挿法:基礎的技術の市場成長の計測法

2)傾向曲線法:市場の規模の経済性に達すると急速に成長を遂げ、          制約要因がでるにつれて成長鈍化する、PLC仮説          に代表される計測法

3)包絡曲線法:世代や階層(ヒエラルヒー)による個々の複数の技          術がマクロ的に包括曲線を描く場合をに分類される、

        アバナシ-=アッタバックモデルに代表される計測法がある。本書では半導体産業と自動車産業に事例をとり、これら産業の技術予測に一般に利用される傾向曲線法、包絡曲線法によりRDMを分析する。

注釈と参考文献

1. 経済学においては技術関数を導入し技術成果の計測を行う。ここに大きく2つの体系:技術 を労働手段の体系とする立場(労働体系説)と技術を客観的法則性の意識的適応であるとする立場(適 応説)がある。

経済成長論では生産資源の根源要素を資本と労働としこの投入要素により得られる所得との関係を 計測する。また生産力と労働力の変化に対する所得効果に重点を置く。本書では技術進歩の市場特性 と主体となる企業の投資決定に注目する。特に技術進歩要因の分析に付いて、ソロー(Solow1957) は40年に及ぶ米国経済成長と生産関数について分析し、ヒックス(Hicks1932)の技術進歩の概念を  導入した。

 技術進歩は経済効率の尺度であり一国経済の投入算出活動を量的かつ価格的な両側面から把握するこ    とにより得られた投入要素の成長を上回る生産物の成長を示す尺度である。黒田昌裕「一般均衡の数 

   量分析」岩波。藤井美文、菊池純一「先端と経済経済」岩波1992.11 29p

2. The theory of economic development,Harvard Univ.Press1934/Capitalism,socialism and democracy HarperRow1943

3.:「Business Cycle1939」「景気循環論」有斐閣1964

第一波1780-1850:産業革命。第二波1850-1890:鉄道と鉄鋼。第三波1890-1920:電気、 

化学、自動車の産業化による経済発展。

4. Villard H Competition,Oligopoly and Research Journal of Political Economy, Dec

1958 尚、原豊「産業組織論」中央経済社’70 149

5. 例えば技術革新に寡占が必要か否かと言うシュムペーター仮説論争がある。

  

 注6.: 技術革新を「経済的実行可能性の獲得に至る技術改善の累積的で連続的プロセス」

     とする。ローゼンバーグ1982 Inside the Black Box;Technology and Economics Cambridge 

     Univ.前掲先端技術と経済19P

7.:土屋守章「技術革新と経営戦略」日本経済新聞社’86 83-100p

8.:「産業進化における問題解決とイノベーション」Kim B.Clark HARVARD UNIV.

9. Ford D Ryan C ^Taking technology to market^HBR 3-4.1981

10.Frohman,A &Bitondo D^Coordinating Business Strategy and Technical Planning^Long 

range planning 14 1981

11.Hennipman.P(Monopoly Impediment or Stimulus to Economic Progress|1954

12.Porter M   The competitive advantage of nations  Macmillan 1991

13. 前掲 先端技術と経済 15

14. Knickerbocker F  Oligopolisitic Reaction and Multinational Enterprise Harvard Business     School /藤田忠訳「多国籍企業の経済理論」東洋経済新報社’78

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