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国際貿易と技術革新 2 国際技術移行モデル(事例分析)

2章;国際技術移行モデル(事例分析)

本章では事例を掲げ国際的技術の移行モデルについてそのダイナミズムを分析する。先ずPLC仮説モデルによるRDMに用いられる技術の需要予測のモデルを用いて、実際に時系列の分析を行う。PLC仮説モデルおよびアバナシー=アッタバックモデルの事例分析及び、半導体市場の市場特性とPLCについて分析する。

1.PLC仮説モデルと需要予測の手法

1-1.需要予測の手法

 比較的長期に及ぶ需要予測の手法には、静態的調査分析による手法の他、数値解析的分析がある。

 前者は調査統計に依る資料に論理的判断を加えるデルファイ法が代表的であり、後者では

1)時系列分析、例えば需要を時間の関数と置き比較的近くに生じた変動パターンを延   長する手法

2)計量経済分析、例えばそれぞれ依存関係のある変数をモデル化して回帰分析する方   法がそれぞれを代表する。

 PLC仮説モデルでは時系列分析により、傾向変動を用いた ロジステイック曲線の成長モデル(以下の④)を応用するものである。

 時系列データを用いて、傾向変動を数式化する場合、変動要因のなかの循環変動、不規則変動等の要因とは独立させ、時間と傾向変動の関数として抽象する。

  ①傾向変動が、単一で直線的と考えられる場合は、一次式をあてはめる。

  需要計算値をY, 時間をtとすると、モデル式はY=a+b・t

  事例として日本の民生用紙生産高の時系列データで最小2乗法で直線傾向線を表すと

          モデル式;Y=1321.82+111.13t (通産省方式)

               Y;紙生産高計算値. t;基準年s410. 

  

  ②但し、傾向変動が単一ではなく、比較的長期間にデータが及ぶ場合、傾向変動を指  数曲線にとる。 

  需要計算値をY,時間をtとすると、モデル式はY=a+b・t2

    事例として季節変動を修正した食品の購入世帯割合Y;%、月をt;s45.6基準月

          モデル式;Y=11.97+0.06-0.00392 (社会調査研究所)

  

  ③当初は急速に増加、減少し、極限値に近づくにつれて速度が鈍化する場合に修正指  数曲線が用いられる。 K;極限値

          モデル式;Y=K-abt

    以下、グラフ化する。

      (図2-1)技術需要予測の曲線モデル

 指数曲線を用いた事例として「David H Ahl,'New product forecasting   using consumer panel' Journal of marketing Research,Vol.Ⅶ」では.新銘柄製品を発表してから、数カ月経過した後の傾向線から将来の銘柄市場占拠率を予測する。

累積率と反復率をグラフ化し、この二つの率の上限と下限を推定する。この予測には修正指数曲線が利用される。

 将来に於ける市場占拠率S=A(累積率上限)・R(反復率下限)

(図2-2)需要予測の指数モデル

④変量の傾向曲線を理論的に定式化したものに理論的傾向線モデルがあり、こ  れに成長曲線としてのロジステイック曲線が掲げられる。 これは一般にPLC仮  説モデルとして微分曲線に応用される。

 

 ロジステイック曲線モデルY=/1+e-r t

              K;極限値  K/2;変曲点 このときt=1/log em

特に耐久消費財の製品普及、市場拡散の予測に利用される。事例として前掲自      

動車市場拡散モデルとしてのバス(BASSModel(別掲)がある。

(図2-3)バス-モデル例

尚、juicer/mixerのロジステイック曲線モデルはs37-47の実績から推計し    た変数で  Y=25,000/1+6.35e-0.2214 t  で示される。以下に図示する。 

  (図2-4)ジューサー/ミキサーの普及モデル

K;最高所得者層の普及率、保有率上限とする。

1-2.PLC仮説モデルで用いる微分曲線/指数曲線モデル

  以下、製品普及、市場拡散モデルを作図する。

    パラメータは任意:( MacOS.system7.5.5 作成) 

     (1)製品の市場拡散の速度関数(例);y=d/dx1/1+e-x   

 製品の市場拡散は、ほぼ正規分布曲線に従う。特に消費者への製品普及速度が当初、急激であるが、次第にその速度が遅くなり、時間経過と共に速度低下する場合に利用される。

 

2)製品の市場拡散の累積数量の時系列的変化曲線: y=1/1+e-x

 ここで製品普及速度関数(1)を積分し市場投入した累積数量を見る。

    Y=25000/1+6.35 *  - 0.2214t: 製品市場拡散 モデルの事例

                 juicer/mixer     (MacOS7.5.5)

 上掲(2)式による市場累積数量の変化モデルで先の実数(図2-4)と近似する。

2.アバナシー=アッターバックモデルとその有効性

2-1.アバナシー=アッターバックモデル

  アッターバックとアバナシー(Utterback.J.M及びAbernathy.W.J)はプロダクトライフサイクルとプロダクトプロセスサイクルモデルを用いて以下の仮説A=U modelを立証した。  これは製品と生産工程の発展過程はプロダクトライフサイクルの過程に応じてそれぞれ3つの段階に分類される。

1)製品についてプロダクトライフサイクルの発展過程は

a)性能最大化:Performance-maximizing

b)売上高最大化:Sales-maximizing

c)費用最小化:Cost-minimizingの各発展レベルに分類される。

 プロダクトライフサイクルが初期段階では性能、形態は非標準的だが後期になると標準化が進み、これに応じて規模の経済性が支配するようになる。やがて価格競争の圧力が強くなると、資本集約的工程が導入されコストダウンが図られる。またこの時期には製品差別化の競争が強く製品の改良が図られる。

2)生産工程での発展過程は

a)非整合型工程:Uncoordinated process

b)分化型工程:Segmented process

c)系統型工程:Systematic processの各発展レベルに分類される。

 工程は初期段階で外的条件に対応しうる流動的かつ汎用の非標準的工程と標準的工程

とが未分化であるが、やがて分化を遂げて系統的に製品のプロダクトライフサイクルに対応するようになる。この2つのサイクルがそれぞれの発展段階で相互に対応しながら技術革新が更新されていく。

 (図2-5):プロダクトライフサイクルとプロダクトプロセスサイクルの統合

A=U modelでは、このモデルを実証するため以下の仮説を立証する。

2-2.A=U 仮説

(1)「企業が行った製品技術革新の導入頻度は第一段階で最大であり、第二、三段階では小さくなる。逆に工程上の技術革新の導入頻度は第一段階で小さく、第三段階で最大で支配的になる。」

(2)「企業の導入する大部分の技術革新は第一段階ではオリジナルなもので有るのに対し、第三段階では大部分が応用技術であろう。」

 以上の仮説を実証するために、調査対象企業約120社、成功を納めた技術革新件数567件について実証すると以下の実態となり、仮説に対してその妥当性を反映した結果を表している。

  (表2-1)技術革新とプロダクトライフ/プロセスサイクルの発展段階

  (表2-2)技術革新の性質とプロダクトライフ/プロセスサイクルの発展段階

3.自動車の製品耐久度からのライフサイクルモデル

3-1 FMEA(Fail Mode Effect Analyses)とISO9000 /製造物責任法PL

 自動車製造において供給側のライフサイクル決定要因には、

(1) 販売上の計画的陳腐化や市場価格減価をモデルチェンジで止める政策、また競合他社の製品に対抗するため等様々な要因があるが、

(2) 製造上の品質;設計品質、製品品質、市場品質 等の品質管理の点からライフサイクルを決定する方法がある。この手法の一部にPLCを前提としたワイフル曲線モデル(別掲)が用いられる。

 この設計品質の中で、信頼性設計は国際標準機構ISO9000+α5項目から、推進される業界標準になりつつある。 このシステム設計では米国基準ANCIをベースにしたFMEA(故障モード影響解析:ISO9000を基準、2000年にQS9000に改訂予定)が標準となっており日本のQC標準JIS、欧州CE規格もこれに追随する動きである。また最近の製造物責任法PL(Product Liability)政策を受けて日本では信頼性設計でも開発基準の抗弁から安全性がさらに重視されている。

 例えばPL政策からは、Fail Safe設計:故障の発生、拡大を防止する製品設計で万一故障が生じても単一故障にとどまり安全性が損なわれぬ設計、複数の同一機能を供えて機能補完できる設計(Fail Soft)またフールプルーフFool Proof設計;Tamper Proof やオーネストプルーフHonest Proof設計等がある。これらを総合的に内包するFMEAは部品全部の信頼性と安全性の寿命から製品全体の耐久性(寿命)を計測する事がベースになっている。

     (図2-6FMEAと製品信頼性のバスタブカーブ

  

 

 FMEAは製品の耐用年数の設定に応用されモデルチェンジの時期と決定する重要な要因になっている。

FMEAでは経過時間と故障件数から製品の安全基準レベルを計測する手法でありさらに製品供給の安定度の計測に応用される。

 

  

          

 

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