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2011年2月24日 (木)

アラブ民衆革命で追込まれる親米国家 と 原油価格急騰

 貿易政策の基本は、供給先の分散であるが、原油産出国(ロシア、アフリカ、中東、中南米等)の中で、米国依存の供給ルートが主である日本では、中東へ供給依存が約90%と非常に偏っている。

日本の石油の輸入依存度は99.7%もあり、うち中東依存度は89%にものぼる。

これは、他の先進国から見ても、

米国の石油輸入依存度56%、うち、中東依存度25%、

英国は石油を自給しており、

ドイツは、石油輸入依存度97%ではあるが中東依存度は、7%に過ぎず

フランス石油依存度98%(中東依存度41%)

イタリア94%(中東依存度3%)と

石油依存度、中東輸入依存度が際立って高い。

(「石油で読み解く完敗の太平洋戦争」岩間 敏著 朝日新書)

 米国の忠実な部下と言われる西のサウジアラビア、東の日本は、米国依存で資源貿易の存立を維持してきた。しかしアラブ対イスラエルの中東対立では常にイスラエル寄りの米国政策が、反米感情を煽ってきた。

米国の勢力が衰退する現在、チュニジア、エジプトなど民主化革命は、反米(米国とイスラエルに同調すれば米国の同盟国として保護されたが、この旧体制に反発)運動の形で生じている。米国の中東での勢力が衰退すれば、日本の原油調達も非常に厳しくなる。

日本の原油価格はWTIではなく、ドバイ・オマーン価格が基準となる。世界で最も紛争の多い中東に原油資源を大きく依存するのは、従来よりリスク管理からも問題となってきた。

アジア石油メジャーの中国・ペトロチャイナ、マレーシア・ペトロナスも主な原油調達先はアフリカ・アンゴラ、ロシアなどへ、中東から振り分けて、供給先を分散化している。

世界3位の3億トン余りを中東に殆どを依存する輸入体制について、供給先を分散化する方途を施行すべきである。

原油価格一段高の兆し、原油価格主要3指標すべて100ドル台に

14時37分配信 モーニングスターより転載

現在値

三菱商

2,252

-36

国際帝石

576,000

+10,000

昭シェル

725

-5

コスモ石

291

-7

JXHLD

574

-10

 ロンドン国際石油取引所(IPE)のICE北海ブレント原油先物に続き、アジアにおける価格指標となっている中東産ドバイ原油スポット価格が21日、1バレル=100ドルを超えた。ブレント原油、ドバイ原油に取り残されていた形のニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油も23日、リビアの石油精製所の操業中止が続々と伝えられ、一時的だが4月限が08年10月2日以来の100ドル台に。先行き不透明感と上昇期待から資金が原油、金、銀に集中している。

 チュニジアのベンアリ政権が崩壊(「ジャスミン革命」「フェイスブック革命」)しエジプトに混乱が広がって以降、原油価格は地政学的に中東に近い北海ブレント、ドバイ原油を中心に上昇が続く。リビアに広がる前は産油国における混乱がアルジェリアに限られ、産油国への騒乱は懸念にとどまっていた。

 しかし、ここにきて産油国リビアでの死者が200人を超えたと報じられるなど、もはや中東、北アフリカ全域に混乱が広がる状況は、とても当初言われていた「産油国は豊富な資金で市民を懐柔することができる」というレベルではなくなってきた。

 現在、原油価格急伸の中心にいるのは、リビアの動向だけに目先は同国から目が離せない。リビアの主要石油輸出国シェアはイタリア32%、ドイツ14%、中国10%、フランス10%、スペイン9%、米国5%、その他欧州14%、中国を除くアジア4%、ブラジル3%と欧州圏比率が高い。自然とブレント原油への影響は強くなる。

 日本では原油価格といえば通常、WTI原油を指す。しかし、実際は日本企業の多くがブレント原油もしくはドバイ原油を企業業績の指標としており、中東・北アフリカの騒乱はブレント原油、ドバイ原油への価格に直結するため、NY原油より価格上昇の影響は大きそうだ。原油権益・在庫を持つ石油元売り、商社にはプラス。例えば三菱商事 <8058> なら「原油価格が1ドル上がると純利益で10億円の増益要因」(広報担当)。逆に電力株、交通関連株には痛手となる。

 リビア決着後の注目点はどこになるのか。大和総研経済調査部チーフエコノミストの熊谷亮丸氏は、まずバーレーンの動向と指摘する。同国は指導者の多くがスンニ派、国民の多くがシーア派であり、前者を支援するサウジアラビア・米国と、後者に共感を持つイランの「代理戦争」の渦中にあると見る向きが少なくない。同国に駐屯する米第5艦隊の動向からも目が離せないという。同氏は、「今後の動向次第では中東情勢の混乱が加速し、グローバルな金融市場への悪影響が拡大する可能性もある」という。

 価格に関しては野村インターナショナルは23日付リポートで湾岸戦争時を例にとり、リビアの混乱がアルジェリアまで広がり、両国が原油生産を停止した場合、OPEC(石油輸出国機構)の余剰生産能力が低下し原油価格は220ドルを超える可能性があると指摘している。過去最高価格の08年7月の147ドルをはるかに超えた数字から、市場で話題となっている。

 もっともリビアは世界石油生産の2%に過ぎず、このリポートの価格がすぐに現実のものとなるかは微妙だ。ただ、このレベルの騒乱が中東主要産油国のサウジ、イラン、イラク、クウェート、UAE(アラブ首長国連邦)、特に「中東の盟主」かつ原油埋蔵量世界一のサウジまで広がれば野村のリポートに出ている価格が現実となることはあり得るだろう。(宮尾克弥)

<北海ブレント、ドバイ原油を指標とする主な企業と前提価格>

 国際石油開発帝石 <1605> =北海ブレント85ドル(第4四半期前提)

 昭和シェル石油 <5002> =ドバイ86ドル(11年12月期前提)

 コスモ石油 <5007> =ドバイ80ドル(下期前提)

 JXホールディングス <5020> =ドバイ80ドル(通期前提)

 出光興産 <5019> =ドバイ90ドル(2月以降前提)

 伊藤忠商事 <8001> =北海ブレント79ドル(期初前提)

 丸紅 <8002> =北海ブレント87ドル(第4四半期前提)

 住友商事 <8053> =北海ブレント80ドル(通期前提)

 三菱商事 <8058> =ドバイ75ドル(下期前提)

・昭シェルは12月決算。それ以外は3月決算。

提供:モーニングスター社

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